PICK UP ACTRESS 髙橋ひかる
PHOTO=河野英喜 INTERVIEW=斉藤貴志
配信ドラマ「パフェちっく!」で初主演
三角関係に揺れる元気な女子高生役
――FODプレミアムで配信中のドラマ「パフェちっく!」はひかるさんの初主演作でありつつ、初めての恋愛モノでもありますね。
「私は恋愛マンガをあまり読まなかったんですけど、『パフェちっく!』の原作を読んだら、新鮮で『いいな!』と思いました」。
――普通は中学生くらいになると、恋愛モノに目が行くものではないですか?
「友だちに誘われて恋愛映画を観に行ったことはあります。でも、私はそれより歴史モノとか、普通の女性が社長に成り上がっていくようなサクセスストーリーをよく観ていました」。
――「パフェちっく!」はひかるさんが演じる亀山風呼が、いとこ同士の新保大也(中尾暢樹)と新保壱(林裕一朗)の間で揺れる物語ですが、さっき出た「いいな」と思ったのはどの辺ですか?
「遠足で風呼と大也が遅刻してはぐれて、2人だけでプチ冒険をするなんて、普通は絶対ありえないじゃないですか(笑)。マンガだからこそ描ける世界観という感じですよね」。
――でも、その2人が雪山に行った第1話のシーンの撮影は寒くなかったですか?
「寒かったです。3月だったんですけど、雪を手でかき集めてフワッと粉雪みたいに舞わせるシーンで、雪が水っぽくてなかなか思うようにいかなくて……。素手でやっていたので、冷えてカッチカチになりました(笑)」。
――恋愛模様にキュンとしたり、切なくなったところも?
「3人の関係が切なくて、もどかしいけど暖かく感じる部分もあって……。見どころが多くて面白いと思いました。風呼ちゃんが辛いときに大也が自転車を押して目の前に来て、『どうぞお乗りください。お姫様』と言ったところは、女の子はみんなキュンキュンきたんじゃないかと思います。『お姫様』ってワードもそうだし、切ないときにこそ笑わせてくれるのが大也らしくて素敵ですよね」。
――壱にときめいたところもあります?
「風呼ちゃんが泣いていたときに髪飾りをくれたシーンは、ぎこちないなりに一生懸命選んでくれたのが思い浮かんで素敵でした」。
――ぶっきらぼうに「手を出せ」とか言って渡してました。
「そうですね。こっちも『何?』って感じで手を出したら箱を置いてくれて、かわいい髪飾りが入っていました」。
――風呼は高校生ということで、等身大で入りやすい役ではありました?
「自分と近い部分もあるのかもしれませんけど、性格とかは全然違いました(笑)。風呼ちゃんは素直でまっすぐで、思ったことをすぐハッキリ言うんです。私は言いたいことをうまく伝えられないところがあるので、そこは『いいな。見習わないとな』と思いました。風呼ちゃんは王道の今を生きてる高校生で、私はちょっと違う感じ。あまりキラキラしてないので(笑)」。
――そんなことはないでしょうけど(笑)。風呼は“元気で明るい”と公式HPにありますが、プラス“強い”感じがしました。「好きになったら諦めるとか簡単にしたくない」と言ったり。
「たぶん頑固なんです。言葉もストレート。『私は壱のことが好きだったよ』とか濁したり、強がって言わないときもありますけど、根本的なところはガツンと伝えるのでいいなと思います」。
――美人の秋桜先輩に大也のことを「私がもらうから」と言われても張り合って、大也に「今日は私と一緒にまっすぐ帰って」と言ったりもしてました。
「私だったら絶対できません。秋桜先輩は怖いし(笑)。実際、ロッカーに呼び出されたシーンでは迫力がすごくて圧倒されました。風呼ちゃんとしては『負けたくない』と思いましたけど」。
――そこで風呼は大也に「好き」と告白して、「気持ちに応えられない」と振られてしまいましたが、そのあとの涙は自然に出たんですか?
「苦戦しました……(笑)。うまく感情が乗ったらホロッと涙が出るんですけど、やっぱりまだ感情にスッと入れなくて……。ただ、デビュー当時に比べたら、だんだん入り込めるスピードが速くなってきました。もっともっと練習します!」。
――その場面より、バイト先で大也が思い出の雪山での写真を消したっぽい話をお客さんとしていたあとのほうが、より涙していたようでした。
「あそこは風呼ちゃんの気持ちがわかりましたね。すごくムカつきました(笑)。大也はわざと風呼ちゃんに聞こえるように言ったのか、お客さんの相手をするのが面倒だっただけなのか、意図が読めなかったんですけど、『何でそういうことを言うのか?』『今まで楽しそうにしていたのは何だったの!?』って、悲しいより腹立たしかったですね。でも、『大事な思い出だと思っていたのは私だけだったんだ……』って切なくなって、涙が出ちゃう気持ちもわかります」。
――一方で、風呼が壱とスーパームーンを見ていたとき、いきなり団子を取り出して「月見と言えば団子でしょう」と言っていたのは、面白かったです。
「風呼ちゃん、変わってますよね(笑)。バッグからお団子を出してましたけど、どこから持ってきたのか。それをツッコみながら受け入れてくれた壱はやさしくて、たぶんあそこで初めて2人の気持ちが通じて、ドキドキしたんですよね。だからこそ、すごく難しいシーンでした」。
――施設に入るおばあちゃんの小犬の飼い主を探す話もありましたが、ひかるさんも犬は好きなんですよね?
「大好きです! 実家でも飼ってますし。だから、おばあちゃんに『飼い主を見つけてあげるから』と言った風呼ちゃんの気持ちはわかりましたし、やさしいと思いますけど、責任は持てないじゃないですか。未成年だし、自分の家では飼えないし。なのに、つい言っちゃうところも風呼ちゃんらしいなと思いました」。
――あのワンちゃんは懐いたんですか?
「私が飼ってるワンちゃんとは違う犬種で、生後3カ月くらいで手足がすごく細くて、最初は抱っこもうまくできませんでした。それでぎこちない感じが出せましたけど、だんだん上手に抱っこできるようになって、撮影が終わって別れるのが寂しかったです」。
――初回冒頭の夢の中のシーンでウェディングドレスを着たのは、女子としては感動でした?
「そうですね。女の子は絶対に一度は着てみたいと思うので。純白のドレスで、相手役の方のタキシードも純白で、会場も真っ白。すごく幻想的でした。でも、カメラの向こうの映ってないところで2人が笑っていたり、逆に私も映ってないところで笑っていたり、ずっと笑いながらの撮影でした」。
――写真を撮ったりもしたんですか?
「マネージャーさんが撮ってくれました。後ろ姿の写真が照明もパッと当たっていて、すごくきれいで、それをお母さんに『ウェディングドレスを着たよ』って見せたら、『いつか本当に着る日が来るんだね……』って感慨深く言ってました。だいぶ先になるとは思いますけど(笑)」。
ストレートでわかりやすい
タイプに惹かれると思います
――他にはどんなシーンが印象に残ってます?
「クライマックスの空港のシーンとか、3人が揃ったところは好きですね。あと、クリスマスパーティーで風呼ちゃんの友だちやダンス部のメンバーも含めてみんなで集まったときは、高校生感が出て楽しかったです」。
――ダンス部の部室でサプライズで誕生パーティーをしてもらった場面もありました。
「もっと小さい規模でパーティーをやったことは実際にありますけど、あんなにかわいい飾り付けで豪華にやることはないので、あそこもすごく良いなと思いました」。
――風呼は大也か壱か選ぶことになると思いますが、ひかるさんだったらどちらを?
「最初は壱派だったんですけど、お芝居しているうちに、大也がいいかなと思いました(笑)。壱はうまく気持ちを伝えてくれなかったりするので。やさしいからこそだとしても、そういうところがもったいない気がします。風呼ちゃんは複雑な感情を読み切れなかったし、私も言ってくれないとわかりません。なので、ストレートでわかりやすい大也のほうに惹かれると思います」。
――恋愛関係でなくても、どっちを選ぶかで悩んだことはありますか?
「この世界に入って、滋賀で普通に高校生として過ごすか、東京でお仕事をして生活するかは、人生で一番大きな選択でしたね。まだ自分が何をしたいかもわからなかったけど、求めていただいているのであれば、しっかりお仕事を頑張りたいと思って出てきました。滋賀県は大好きで周りの人と離れるのも寂しかったので、すごく悩んで、東京に来てから落ち込んだりもしました。今は少しずつ慣れてきて、地元の友だちとも連絡を取りつつ、帰れるときは実家に帰っています。お仕事で関西に行って空気を吸って帰るだけでも、気の持ちようが変わりますね」。
――今は東京の子っぽくなったのでは?
「それはあまりないです(笑)。母もこっちに来てくれているから関西弁が身近で、言葉や食べるものもあまり変わりません。でも、電車には慣れました。山手線に乗ったらどこに行けるとか、こっちに乗ったら間違えるとか、そういうのはわかるようになりました」。
――新宿駅とか渋谷駅とか最初は迷いますよね?
「路線が多いので迷いますね。滋賀県では1駅に1本しかないのが当たり前ですけど、東京は同じ駅でも乗る線によって全然違うのが面白いです」。
――「パフェちっく!」では「運命の人って一体どっち?」という台詞もありましたが、ひかるさんが運命を案じた経験はありますか?
「これもお仕事関係になっちゃいますけど、自分が芸能界に入るきっかけが『全日本国民的美少女コンテスト』で、勧めてくださったのがダンスの先生だったんです。その先生が教えてくださらなければ、私はコンテストのことを知らなくて、応募していませんでした」。
――自分からやりたいと思ったわけではなく?
「芸能界に入りたいとは思ってましたけど、まだ小学生でオーディションとか何も知らなかったんです。ダンスを始めたきっかけも友だちの勧めで、いろいろな人に助けられて偶然にも恵まれて、このお仕事をさせていただいてると思います」。
――今回、連続ドラマを主演として務め上げました。
「満足はしてないです! 最初は本当にお芝居がままならなくて、何度も何度も撮り直しをさせていただきました。後半でもうまくできなかったところはたくさんあって、すごく悔しかったです」。
――どんなシーンで手こずったんですか?
「たくさんありすぎて、もうわかりません(笑)。それでも監督の言うことをすぐ理解できるようになってきたのは、大きな進歩かなと思います。1カ月で10話撮り切って、あっという間でしたし、1日 1 日が濃かったのですごく長くも感じました。難しかったけど楽しくて、勉強にもなって、本当にいろいろな思い出が詰まっています。このドラマが初主演で良かったです」。
――東康之プロデューサーはひかるさんについて、「まさに大和撫子」とコメントされてます。
「私がですか? いやいやいや。全然そんなことはないですけど、ありがたいです。よく『昭和のアイドルっぽい』とか『昔懐かしい感じの顔』と言われて、それもすごくうれしいです」。
――「昭和のアイドルっぽい」と言われるのは、うれしいものですか?
「うれしいです。おきれいな方がたくさんいますから。まつ毛がパサッとなっていたり、オールバックが流行っていた時代かな? 加賀まりこさんの若い頃などの写真を拝見しました」。
――いわゆる昭和アイドルより、さらに前の時代ですね。「原田知世さんの若い頃に雰囲気が似てる」と言われたとも聞きました。
「ありがたいです。『JR SKI SKI』のCMで昔の映像が流れてましたけど、すごくかわいくて『雪が似合うな』と思いながら観てました。憧れます」。
――確かに「パフェちっく!」の雪山シーンでニット帽をかぶったところとか、「私をスキーに連れてって」の原田知世さんを思わす感じもしますが、何にせよ、ひかるさんは今ドキのJKっぽくはないんですかね?
「それはありますね。原宿とかになかなか出ません。ついていけないです(笑)」。
――でも高2になって、学校では楽しく過ごしていますか?
「まだ新しいクラスに慣れてませんけど、友だちとは仲良くさせてもらってます。これから慣れてきたら、もっとたくさん友だちを作って、思い出作りをしたいです。私はガンガン話し掛けちゃうほうなので、そこは大丈夫かなと思ってます」。
――ちょっと早いですけど、夏休みも盛り上がろうと?
「友だちとどこかに行きたいです。テーマパークもいいですし、『パフェちっく!』の撮影で行った横浜の赤レンガ倉庫にもまた行きたいし、鎌倉方面にも行ってみたいです」。
髙橋ひかる(たかはし・ひかる)
生年月日:2001年9月22日(16歳)
出身地:滋賀県
血液型:O型
【CHECK IT】
2014年に「第14回全日本国民的美少女コンテスト」でグランプリを受賞。2016年1月公開の映画「人生の約束」で女優デビュー。2017年に大河ドラマ「おんな城主 直虎」(NHK)に出演。「第96回全国高校サッカー選手権大会」で13代目応援マネージャーに就任。滋賀県をPRする「しが広報部長」を務める。大鵬薬品工業「チオビタ・ドリンク」、ノーリツ「NORITZ」、ブルボン「ルマンドアイス」、ジェイテクトのCMがオンエア中。ドラマ「パフェちっく!」(FODプレミアム)は毎週土曜に最新話を配信中。
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